初日算入と初日不算入の違い|日数の数え方で1日ずれる理由

日数や期限の数え方は、初日を数えるかどうかで1日ずれます。民法140〜143条の原則と、初日を数える例外(年齢・クーリング・オフ)、月末から数えるときの注意を条文にそって解説します。

公開日 2026年9月21日

「9月21日から3日間」の最後の日は、9月23日でしょうか、9月24日でしょうか。日数や期限を数えるときは、始まりの日(初日)を1日目として数えるかどうかで、答えが1日ずれます。この記事では、民法の期間の計算のルールと、初日を数える主な例外を、条文にそって整理します。

結論
  • 民法の原則は初日不算入です。期間の初日は数えず、翌日から数えます(民法第140条)。
  • ただし、期間が午前零時から始まるときは、初日も数えます(同条ただし書)。
  • 年齢の数え方や、クーリング・オフの8日間のように、初日を数える例外があります。
  • 法令に特別の定めがある場合や、契約などで別に決めた場合は、その定めが民法の規定より優先されます(民法第138条)。

民法の原則:初日不算入

民法第140条は、日・週・月・年で期間を定めたときは「期間の初日は、算入しない」と定めています。そして第141条により、期間はその末日の終了をもって満了します。つまり、ある出来事が起きた日の翌日を1日目として数え、最後の日の終わりに期間が終わります。

初日を数えないのは、初日は途中の時刻から始まる中途半端な1日になることが多いからです。一方、ただし書のとおり、期間が午前零時から始まるときは、その日は丸1日あるので初日から数えます。たとえば「9月22日午前零時から3日間」なら、9月22日・23日・24日の3日間で、9月24日の終わりに満了します。

2026年9月21日(月)を起点にした場合の満了日(その日の終わりに期間が終わる日)は、次のとおりです。

期間初日不算入(原則)初日算入
3日間2026年9月24日(木)2026年9月23日(水)
1週間2026年9月28日(月)2026年9月27日(日)
1か月2026年10月21日(水)2026年10月20日(火)

初日を数えるかどうかで、満了日がちょうど1日違うことがわかります。「期限はいつまでか」を考えるときは、まず、どちらの数え方をする決まりなのかを確かめることが大切です。

月や年の期間:応当日の前日に満了

月や年で期間を定めたときは、暦に従って計算します(第143条第1項)。月や年の初めから数えない場合は、最後の月や年で、起算日に応当する日(同じ日付の日)の前日に満了します。ただし、月や年で定めた期間で、最後の月に応当する日がないときは、その月の末日に満了します(同条第2項)。

たとえば初日不算入で「9月21日から1か月」なら、起算日は9月22日、応当日は10月22日で、その前日の10月21日に満了します。初日を数えるなら、起算日は9月21日、応当日は10月21日で、10月20日に満了します(上の表の1か月の行のとおりです)。

月末から数えるときは、日付の足し算と結果が違うことがある

「月末の日から〇か月間」のように数えると、初日不算入では起算日が翌日、つまり翌月の初日になり、月の初めから数える場合のルールで計算することになります。この場合、期間は月末までちょうど1か月分になります。そのため、カレンダー上の同じ日付に進める単純な日付計算とは、結果が違うことがあります。

起点の日(1か月間・初日不算入)民法の満了日同じ日付に進めた日
2026年3月31日(火)2026年4月30日(木)2026年4月30日(木)
2026年4月30日(木)2026年5月31日(日)2026年5月30日(土)
2027年2月28日(日)2027年3月31日(水)2027年3月28日(日)

3月31日から数える場合は、4月の末日が30日なので、民法の満了日も同じ日付に進めた日も4月30日で、結果が一致します。しかし、4月30日や平年の2月28日のように、月の最終日から数えて、翌月がそれより長いと、民法の満了日は翌月の末日(5月31日・3月31日)になり、同じ日付に進めた日(5月30日・3月28日)と食い違います。なお、月の最終日でなくても、たとえば平年の1月29日から1か月間のように、起算日(1月30日)に応当する日が2月にないときは、2月の末日(2月28日)に満了します。

初日を数える例外

  • 年齢:年齢計算ニ関スル法律は「年齢ハ出生ノ日ヨリ之ヲ起算ス」と定めています。生まれた日を数えるので、年齢は誕生日の前日の終わりに1つ増えます。詳しくは、ガイド「早生まれとは?」をご覧ください。
  • クーリング・オフ:訪問販売の場合、特定商取引法第9条は、書面を受領した日から起算して8日を経過した場合には、申込みの撤回や契約の解除ができないと定めています。福岡市や大阪市の案内は、この期間を、書面を受け取った日を1日目(初日)として数えるものと説明しています。

クーリング・オフの例で見てみます。2026年9月21日(月)に書面を受け取ったとすると、この日が1日目、2026年9月28日(月)が8日目です。初日不算入と同じ感覚で数えると、期限を2026年9月29日(火)と誤って1日遅く考えてしまいます。なお、申込みの撤回等は、書面などによる通知を発した時に効力が生じます(同条第2項)。実際の手続や個別の事情は、お住まいの地域の消費生活センターなどにご確認ください。

期間の末日が休日のとき

民法第142条は、期間の末日が日曜日や国民の祝日などの休日にあたるときは、その日に取引をしない慣習がある場合に限り、期間は翌日に満了すると定めています。すべての期限が自動的に翌日に延びるわけではないので、期限の管理では、契約書や法令の定めを確認してください。

日数計算ツールでの使い方:日数計算では、「初日を含めて数える」のオン・オフで、2つの日付の間の日数が変わります。オフが初日不算入、オンが初日算入です。なお、このツールの「○か月後」は、カレンダー上の同じ日付に進める計算なので、上で見たとおり、月末から数える場合は民法の満了日と異なることがあります。契約や法令上の期限の確認には、条文や専門家の説明を優先してください。

出典

この記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、法律その他の専門的助言ではありません。法令や制度は改正されることがあり、個別の事情によって結論が変わる場合もあります。契約書や重要な手続については、条文や公的機関の案内を確認し、必要に応じて弁護士・司法書士などの専門家にご相談ください。